株式の持ち合い
株式の持ち合いとは、2社以上の複数の株式会社同士が相互に発行済株式を所有し合うことです。安定株主の形成や企業間取引の強化や、お互いに経営をチェックする企業統治が期待できる、といったメリットがあります。
しかし、景気が低迷した際には相互の株価下落による業績への悪影響や、資金繰りの悪化を招くデメリットもあります。
そのため、バブル崩壊以降は都市銀行などが持ち合い株式の売却に迫られました。また2002年には、銀行による持ち合い株の市場売却の影響を避けるため、持ち合い株式を一時的に買い取り流通させる「銀行等保有株式取得機構」が設置され、株式の持ち合いの解消がより進みました。
2015年には経営者の選任や解任手続きの透明化を目的として、企業統治の指針であるガバナンスコードが施行され、2018年には改定も行われるなど社会的な背景によって、企業同士の株式の持ち合い解消が進んでいます。