中小企業のM&A|目的や手法、成功するためのポイントを分かりやすく解説

近年、後継者不足の中小企業が増えていることが社会問題の1つになっています。
このような背景の中でも、M&Aは事業承継の手段あるいは事業拡大の手段として考えられ、ポジティブなイメージを持つ中小企業の経営者が増えてきています。そのため、中小企業でもM&Aを検討する企業が増加しています。
本記事では、中小企業のM&Aの主な目的や方法、成功させるためのポイントなどを詳しく解説していきます。
中小企業M&Aとは
中小企業の定義から確認しましょう。中小企業は中小企業基本法により、法的な中小企業の定義は業種や資本金、従業員数によって定められています。定義は下記の通りですが、こちらは中小企業政策における基本的な政策対象の範囲を定めた「原則」であり、法律や制度によって「中小企業」として扱われている範囲が異なることがあります。
・製造業その他・・・資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
・卸売業・・・資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
・小売業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
・サービス業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
中小企業M&Aとは、原則上記の定めにより中小企業とされている会社のM&Aを指します。
中小企業M&Aの現状
中小企業M&Aの市場規模は年々拡大しており、2018年の時点で市場規模20兆円を超え、今後は30兆円規模にまで成長すると言われています。中小企業庁の調べによると、日本企業のM&A件数は2019年に過去最高となる4,088件になっています。2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、3,730件と前年を下回ったものの、それでも高水準をキープしている状況です。(2021年度中小企業白書)
また、自社譲渡の意向がある中小企業と他社譲受を検討する企業のマッチングの支援を行っている「事業引継ぎ支援センター」では、2011年の設立以降、M&Aの相談社数、成約件数共に大幅な増加が見られます。
特に、成約件数に関しては2020年に1,234件となっており、2015年の209件から約6倍になっています。そのため、中小企業のM&Aは今後も増加していくと考えられるでしょう。(独立行政法人中小企業基盤整備機構リリース)
中小企業M&Aの目的
ここでは中小企業がM&Aを行う目的について紹介します。
●譲渡企業の目的①:事業承継を存続させるため
中小企業では、後継者がいない、見つからないということが近年の社会的な問題になっています。M&Aを活用して第三者に自社譲渡をすれば、会社を廃業させることなく、第三者に事業を承継することが可能です。また創業者は、自社譲渡による利益を得てから会社を手放せるといったメリットもあります。
●譲渡企業の目的③:事業や会社を現金化することで資金調達するため
M&Aは会社全体だけでなく、一部の事業だけを譲渡することも可能です。例えば事業譲渡を行い、不採算事業を切り離せば会社の中核事業に集中することができます。また、会社や事業を譲渡することによって、新たな事業を立ち上げるための資金調達を行うことも可能です。
●譲受企業の目的:規模拡大や新規事業立ち上げなど成長戦略のため
譲受企業は、M&Aによって譲渡企業の資産や従業員、ノウハウなどをそのまま引き継ぎ、会社の規模の拡大を図ることが可能です。新規事業への参入を行う場合、一から事業を立ち上げるのは人材の確保やノウハウの習得などに手間やコストがかかります。一方、M&Aを活用すればすでにその事業に参入している会社のノウハウや技術、人材などを譲り受けることができるため、リスクやコストが軽減されます。
中小企業M&Aの手法
M&Aにはさまざまな手法があり、企業規模や目的などによってどの手法を取るのかが異なります。一般的な中小企業のM&Aは以下のような手法が用いられることが多いです。
・株式譲渡
・事業譲渡
・会社分割
・株式交換や株式移転
中小企業のM&Aで用いられる主な手法の特徴や
メリット・デメリットを紹介していきます。
●株式譲渡
株式譲渡は、中小企業のM&Aでよく用いられる手法です。譲渡企業が譲受企業または個人に対して、保有株式の対価(原則として現金)と引き換えに譲渡し、会社の経営権を移転させます。なお、経営権については譲渡企業が発行する株式のうち、50%を超える株式が譲受企業または個人に譲渡されることで移転可能です。
株式譲渡には、以下の3つの手法があります。
相対取引:大株主から直接株式を買い取る方法
市場買付:上場企業の株式を証券取引所などで買い入れる方法
購買買付(TOB):不特定多数の株主から株式買付の募集をし、市場外で株式を買い集める方法
株式譲渡のメリット
中小企業M&Aの場合、事業承継を目的としてM&Aが行われるケースが非常に多く、この株式譲渡のスキームを選択すると、売り手や株主側の利益を最大化することが可能となることが大きなメリットです。
株式譲渡による対価は分離課税により約8割が売り手の手元に入り、各人の所得に合算され累進課税の対象とならないことが節税の観点でもメリットとなります。後述する事業譲渡や会社分割の手法を採用した場合、株式の譲渡対価は売り手の会社側に入ることとなります。
買い手側においては、100%の株式を所有した場合は、M&A成立後に少数株主や反対株主を抱え込まなくて済む点がメリットです。買収後のトラブルを防ぐためにも全ての株を抱えることは大切な要素です。
株式譲渡のスキームを選択すれば「手続きの簡便さ」「利害関係の調整の容易さ」から、売り手と買い手の双方にとって、プラスとなる要素も多く存在します。
株式譲渡のデメリット
株式譲渡のデメリットは、対象会社の帳簿外負債や株に関する問題もそのまま承継してしまう点です。こういった負債などが金銭で見積もり可能である場合、M&Aの対価から差し引くことで対処できますが、金銭に換算できない問題が発覚した場合は、株式譲渡以外のスキームを検討することになります。
▷関連記事:株式譲渡とは?株式譲渡のメリット、デメリットについて
●事業譲渡
事業譲渡は、会社全体ではなく、特定の事業だけを譲渡する手法です。株式譲渡とは異なり一部の事業だけを譲渡するため、会社の経営権は移転しません。譲渡企業の経営者が特定の事業だけを譲渡したい場合や、譲受企業が赤字の事業の承継をしたくない場合、簿外債務のリスクを回避したい場合などに用いられます。
事業譲渡のメリット
・買い手企業は必要な資産や負債のみを選んで買収できる
・簿外債務まで引き継ぐリスクがない
・経営権が移転しない
・残したい資産や従業員の契約を選べる
事業譲渡のデメリット
・契約上の移転手続きに手間と時間が必要
・税務上の優遇措置がなく、税負担が重い
▷関連記事:M&Aの事業譲渡とは?株式譲渡との違いやメリット・デメリットを徹底解説
●会社分割
会社分割は、譲渡企業の特定の事業を他の会社に承継させる手法です。譲渡企業が有する事業を新たに設立した会社に承継する「新設分割」と、事業の一部または全部を既存の会社に承継させる「吸収分割」の2種類があります。
会社分割のメリット
・買い手企業は新株の発行を対価とすれば、買収資金が不要
・包括承継のため、事業譲渡に比べると手続きが簡素
・移籍させる従業員からの個別の承認が不要
・買い手企業は経営統合をスムーズに行えるため、買収の恩恵を早期に得やすい
会社分割のデメリット
・買い手企業が上場企業の場合、1株あたりの利益が下がり株価下落リスクが発生する恐れがある
・売り手企業の株主が買い手企業の株主になり、株主構成が変化してしまう
・人事制度やシステム統合により、現場が混乱する恐れがある
▷関連記事:会社分割とは?メリットから意味や種類、類型までを解説
●株式交換
株式交換は、基本的に譲受企業が上場企業の場合に用いられる手法です。譲渡企業の経営者が保有する株式を譲受企業に譲渡する代わりに、譲受企業の株式の交付を受けます。譲受企業が譲渡企業の100%の株式を保有することにより、完全な親子会社関係を築くことができます。
株式交換・株式移転のメリット
・売り手企業の株主の3分の2以上の合意のもと、100%の株を取得可能
・親会社の株式が対価の場合は資金調達が不要
・M&A後も売り手企業は別法人扱いのため、経営統合を急ぐ必要がない
株式交換・株式移転のデメリット
・手続きが複雑で、登記が必要なケースもある
・費用や時間がかかる
・買い手企業が上場企業の場合、株価下落のリスクがある
・買い手企業の株主構成が変化してしまう
▷関連記事:株式交換とは?メリットから株式交換比率、株価の変動と注意点までを徹底解説
売り手から見たM&Aの流れ
中小企業M&Aが実際にどのような手順で進んでいくのか、おおまかなM&Aの流れについて概要をご紹介します。M&Aのプロセスは長期間に渡りますが、大きなくくりでまとめると3つのフェーズに分けることが出来ます。
1)準備フェーズ
2)交渉フェーズ
3)最終契約フェーズ
●準備フェーズ
M&Aの初期的なプロセスが「準備フェーズ」に当たります。
①M&Aの相談/検討
M&Aを行うにあたって、最初に行う事は「M&Aを行うことが自社にとって最も適した選択か」を考えることです。また併せて「M&Aを行う目的」や「自社にとって譲れない条件は何か」などの洗い出しを行いましょう。
②自社の経営状況/純資産/負債などの状況把握
M&Aの交渉を行う前に、交渉を行う際の好条件となる「自社の独自ノウハウや特許」、反対にトラブルとなり得る「簿外債務」などを含め、正確に自社の経営状況を洗い出しましょう。
③M&A仲介業者選定/アドバイザリー契約
M&Aが自社にとって適した選択であるか、またM&Aの目的や自社の経営状況の把握を行った後、M&Aの仲介を依頼する業者を選択します。M&AはM&A仲介会社に依頼することが一般的ではありますが、FA(ファイナンシャルアドバイザー)や銀行、士業事務所でもM&Aのサポートを受けることが可能です。
その後、M&Aアドバイザーに依頼する場合には、M&A仲介会社に仲介業務を依頼する「アドバイザー契約」を締結します。M&Aのプロセスは長期に渡るため、実務を滞りなくこなすだけでなく、しっかりと自社に寄り添ってくれる、信頼のおけるアドバイザーを見つける様にしましょう。
●交渉フェーズ
準備フェーズが完了したら「交渉フェーズ」です。
①ノンネームシートや企業概要書などの資料の作成
ノンネームシートは企業が特定されない範囲の情報を纏めたものになり、M&Aアドバイザーが譲渡企業の紹介を譲受企業に行う際に使用されます。ノンネームシートにより譲受を希望した企業に対してはより詳細な企業概要や財務状況などを纏めた企業概要書が開示されます。譲受企業はこの企業概要書などを基にM&Aを進めるか否かを判断することになります。
②M&Aスキームの選択
M&Aを進める際にどういったスキームを用いるかを検討するのも、交渉フェーズです。
前述したようにM&Aのスキームには株式譲渡以外にも会社分割や合併など様々な種類があるため、M&Aの目的に合わせた選択が必要です。M&Aスキーム次第でM&Aで得られる効果や財務会計面でも違いが生じるため、最も効果的なスキームを選択できるよう熟慮してください。
③トップ面談
M&Aを進めたいパートナー企業が見つかった後は「トップ面談」を行います。
多くの場合、候補先企業が2~3社ほどになったタイミングで実施され、主に譲渡企業と譲受企業の経営ビジョンや譲渡後の運営方針など、お互いの理解を深める場となります。
④M&A基本合意/デューデリジェンス
トップ面談後、M&Aを進める相手企業が決定したら「基本合意書」を締結します。基本合意書では、これまでの条件を整理し譲渡価格やスケジュールなどを定めます。また基本合意書締結後には「デューデリジェンス」と呼ばれる企業調査を譲受企業が譲渡企業に対して行います。デューデリジェンスでは、譲受企業が選定した第三者の専門家が法務や税務などの観点から譲渡企業を調査します。
●最終契約フェーズ
最後に、「最終交渉フェーズ」に移ります。
①M&Aの最終契約締結
「最終契約」はM&Aに関する最終的な合意内容になり、主に取引金額や表明保障、補償条項や解除条件などが含まれます。基本合意の内容を基に作成されることが多いため、基本合意時に内容の確認を行うことが重要です。
②クロージング
「クロージング」は最終契約に基づいた経営権の移転手続きを指します。このクロージングを行う事でM&Aの手続きは完了、成約となります。
③M&Aの事後処理
クロージングによる経営権の移転手続き後には「M&Aの事後処理」を行います。
新体制発足に伴う臨時株主総会の開催や変更の必要がある場合には定款の変更、代表取締役を新任する際には取締役会も実施する必要があるなどです。
中小企業の企業価値の算出方法
●コストアプローチ
コストアプローチとは、企業の保有している資産および負債をベースにして株式価値を算出する方法です。純資産を基にしているため客観性に優れた評価を行うことができ、中小企業のM&Aにおいてはコストアプローチを採用することが多くあります。その中でもよく用いられるのは「簿価純資産法」と「時価純資産法」の2つです。
・簿価純資産法
簿価純資産法では、評価対象企業と、その企業が持つ事業の資産・負債を、帳簿に基づいて計算を行います。
・時価純資産法
時価純資産法では、譲渡企業の資産・負債を時価に直した上で、時価換算した資産合計から時価換算した負債合計をひいた額を算出します。
●マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、株式市場やM&A市場における取引価額を基準に算定する評価方法です。非常に客観的な価値を算定することができますが、中小企業と同じビジネスモデルで同規模の上場企業を探し出すことが難しいという欠点があります。その中でもよく用いられるのは「類似企業比較法」「類似取引比準法」の2つです。
・類似企業比較法
類似企業比較法は、評価対象の企業に事業内容や企業規模、収益性という観点で類似した公開会社を複数選出した上で、類似企業の企業価値と財務上の数値を基に比較し、評価対象の企業の企業価値を算出します。
・類似取引比準法
類似取引比準法は、同一業界にて過去に行われた公開されているM&A事例から入手可能な譲渡価額や各財務指標を基に取引倍率を算出し、その取引倍率を基に価額を計算します。
●インカムアプローチ
インカムアプローチとは、譲渡企業に今後見込まれる収益やキャッシュフローから、リスクなどを考慮して企業価値を算出する評価方法です。
会社が持つ将来の収益獲得能力や固有の性質を評価結果に反映させられる点で優れていますが、未来のことを予測するという側面があることから、将来情報に対する恣意性が排除されづらいという難点もあります。その中でもよく用いられるのは「DCF法」と「配当還元法」の2つです。
・DCF法(Discounted Cash Flow =割引キャッシュフロー法)
将来的に見込まれるキャッシュフローから、リスクの大きさに合わせて設定した割引率(将来的な価値を現在の価値に直すための利子率)で引くことで算出します。
・配当還元法
配当還元法は、株式の配当金と資本金を基準にして企業価値を算出する方法です。過去2年間の配当金の10%を割戻して株価を算出します。3%〜5%程度の少数株式を保有している人が株式を譲渡する際に活用される手法です。
中小企業がM&Aを成功させるためのポイント
ここでは中小企業がM&Aを成功させるために覚えておきたいポイントを紹介します。
●M&Aを行う理由や動機を明確にしておく
譲渡企業・譲受企業にかかわらず、M&Aを実施する場合、事業承継や事業拡大などの理由や動機を明確にしておくことが大切です。
M&Aを行う際は、自社が目指す目的と合致した取引先を選ぶ必要があります。理由や動機が明確であれば取引先を決める基準も明確化されるため、スムーズなマッチングが可能です。また、M&Aの理由や動機を明確にすると同時に、M&Aを行うにあたって譲れない条件も固めておくようにしましょう。
●M&Aに強い相談先を見つけておく
M&Aの相談先は、M&Aアドバイザーの他にも顧問税理士や弁護士、金融機関などいくつか考えられますが、それぞれ専門分野が異なるため、M&Aの手続き全体に携わっていないケースも多くあります。
M&Aには、成功させるための基礎的な知識だけではなく、成約までの流れや税金、税務、法務などの幅広い知識が必要です。そのため、M&Aを実施する際は、いくつかの相談先と話してみて、M&Aに強い相談先を見つけておくとよいでしょう。
●従業員への告知は最終契約後に行う
M&Aで会社を譲渡する場合、従業員へ告知を行うタイミングが非常に重要になります。M&Aを成功させるためにはこれまで以上に業績を伸ばし、譲受企業に「価値のある会社」であることをアピールすることが大切です。
下手な伝え方をしてしまうと、従業員のモチベーション低下や人材の流出に繋がり、業績が悪化してしまう可能性があります。業績が悪化するとM&Aの成約が難しくなることも考えられるため、注意しましょう。
また、従業員へ告知の際は、M&Aを実施する意図や従業員が会社の財産であること、会社としての今後の方向性などを真摯に説明し、自社に残ってほしい旨を前向きに伝えることが重要です。
中小企業がM&Aを行う際の注意点
M&Aを実施する際は、譲渡企業と譲受企業それぞれに注意点があります。ここでは中小企業がM&Aを実施する際の主な注意点を紹介します。
●譲渡企業の注意点①:情報の漏洩
M&Aを検討している譲渡企業は情報漏洩に注意が必要です。M&Aは「身売り」のイメージを持つ人もいるため、情報が漏洩すると従業員の不安や人材流出などに繋がり、M&Aの成約がスムーズに行えない可能性があります。
また、既存の取引先がある場合は、情報漏洩によって取引上の不利に繋がったり、取引自体が停止したりするケースも考えられます。M&Aの情報漏洩は、社内外に多くの影響を与える可能性があるため、細心の注意を払うようにしましょう。
●譲渡企業の注意点②:譲受企業に対しては些細なことでも伝えておく
M&Aを実施する際は、些細な情報であっても譲受企業へ伝えるように注意しましょう。譲受企業はM&Aの成約前にデューデリジェンス(DD)を行い、譲渡企業の経営状況や潜在リスク、問題点などを確認します。
デューデリジェンスによって会社の簿外債務や不適切な会計処理などが明らかになると、意図的でなかったとしても譲受企業の不信感を招いてしまい、M&Aがスムーズに実施されない可能性があります。
▷関連記事:M&Aの最後にして最大の難関。「デューデリジェンス(DD)」を徹底解説
●譲受企業の注意点①:根拠のある譲渡価額の算出
企業の価値は、洋服や電化製品のように定価が決められているわけではないため、譲渡価額はバリュエーション(企業価値評価)やデューデリジェンス(DD)の結果を参考に譲渡企業と譲受企業の交渉によって決定します。
通常、譲渡企業はできるだけ高く自社譲渡を行いたいと考える傾向があるので、譲受企業は譲渡価額に懸念点がある場合、M&Aアドバイザーなどの専門家が提示する根拠のある数字を参考にして交渉を進めるようにしましょう。
●譲受企業の注意点②:人事制度やシステムの統合による混乱
M&A成約後は、譲渡企業と譲受企業の間で経営統合の作業を行います。この作業はPMIと呼ばれ、PMIを適切に進めることができない場合は人事制度やシステム統合などによる現場の混乱を招き、M&Aによって期待していた相乗効果(シナジー効果)を得られない可能性があります。
M&Aのメリットの1つはシナジー効果を期待できることですので、M&Aを成功させるためにもPMIを適切に進められるように準備しておきましょう。
まとめ
事業承継や事業拡大の手段の1つとしてM&Aを検討する中小企業が増えています。M&Aといってもさまざまな手法があるため、目的に合った手法を選択するようにしましょう。
また、M&Aを成功させるためには、M&Aを行う理由や動機を明確にしておくことや、M&Aに強い相談先を見つけておくことなどが必要です。M&Aを成功させるためにもポイントを把握して、適切なプロセスでM&Aを進めていきましょう。
事業承継や事業拡大の手段の1つとしてM&Aを検討する中小企業が増えています。M&Aといってもさまざまな手法があるため、目的に合った手法を選択するようにしましょう。
また、M&Aを成功させるためには、M&Aを行う理由や動機を明確にしておくことや、M&Aに強い相談先を見つけておくことなどが必要です。M&Aを成功させるためにもポイントを把握して、適切なプロセスでM&Aを進めていきましょう。
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